レッドクリフ

 家に帰って思わず小躍りしてしまう。
 ついに体重が70キロを切ったのである。切ったとはいえ69.8kgなので威張れたものではないが、でも嬉しい。
 ただ、体脂肪があいも変わらず20%超あるので今後はこいつを落したい・・・なんて欲がもたげてくる。体脂肪を17%に落せば体重も68kgを切る。そうなれば今後こそ本当に登りが早くなるかもしれない・・・なんてことを考えたりして。

 さて、僕は王様ではないので望むものを全て手に入れることはできない。
 2.5ヶ月ほど自転車に時間を割くため映画を切り捨てていたので心が疼いて仕方がなかった。オフに突入したので、これでまた、でっかいスクリーンで映画が観れる。一発目はレッドクリフだ。
 ジョン・ウーがのびのびしている。設定をハリウッドの王道からズラスことで周りの監督の様子を伺う必要性がなくなり、感性の任せるままに作品を作っているようだ。西洋人は知らない世界だからってやりたい放題、三国志上最も有名な戦いが曹操の密やかな想いを実らせるためのものだったなんて設定、普通だったら絶対出来ないぞ。
 監督が自由奔放に映画を楽しんでいるのだから、僕も堅苦しいことは言わず考えず、単純に映画を楽しむことにした。
 最近CGを駆使した大仰なアクション映画に食傷気味だったので、本質的には典型的なハリウッド映画なのだけど、幽玄で霞がかった山水画の世界をバックにしているということだけでめちゃくちゃ新鮮に感じる。
 前置きもそこそこに、いきなり圧倒的迫力をもった戦闘シーンに突入し僕の心を鷲摑みにするなんて上手すぎてずるいぞ。とにかく強烈な先制パンチだ。
 その後しばらくは趙雲はジャッキーチェーンみたいだとか、周瑜はガレージセールのゴリみたいで笑えるなぁなんて低俗なことを考えたり、関羽張飛はいかにも!という感じだが劉備はもう少し丁寧に描いて欲しいなぁとか、このラブシーンは全く意味がないぞ、とか、諸葛孔明周瑜の微妙で複雑な心理戦を音楽での心の交流なんて形で流すなんて卑怯だぞとか、勝手なことを思いながらも、アメコミの超人を三国志上の英雄に置き換えての戦闘シーンには思わず前のめりになって見入ってしまう。
 決戦まで引っ張って引っ張ってto be continuedなんて、つまらない映画だったら暴動が起きるようなエンディングなのだが、僕に怒りの気持ちはなく、とにかく4月が待ち遠しい!というのが素直な感想だ。