天才である事を全身で感じながらも、夢中になれなかったのは、彼の天才について行けなかったからなのに、情けない事に、
プリンスなんて名前つけやがってとか
背低いのにイイ女侍らせやがってとか、
卑猥な曲書いて話題取ろうとしやがってとか、
こんな屈折した変態野郎にはついていけない、
なんて、情けないことを言ってたのだな、当時は。


結局、KISSのカッコいいギターに昇天してしまい、プリンス殿下参りました、と頭を下げることになるのだが、このタイムラグが恥ずかしい。


パープルレインを改めて見たのだが、
ナルシズムに乗っかった、
天才ゆえの孤独とか
親子の葛藤、なぜ母親が・・・とか
才能が、歪んでるだよな。
でも、だから、凄いのかな。


映画的には・・・で言いたい事はいくつもあるけど、
プロモビデオとして見ると最高にカッコイイ。


音楽史に衝撃を与え、大きな傷跡を残した、異才。僕の中でのメインストリームではないけど、認めたくないけど、その衝撃はスティービーワンダー以上だったって、ホンネではそう思っているのである。


認めなくないけど、好きでした。
合掌

ジャズ喫茶が止まらない

今まで聞いた全てのジャズアルバムをこの音で聴き直してみたい。本物のマッセイホールは熱いんだろうな。僕の中で過小評価されているブラウニーもインコンサート辺りをここで聞いたら凄味が伝わってくるのではないか。
古い作品だけじゃない。デビットサンボーンの美しい音色はどう響くのだろう。ウィントンのスタンダードタイムは、なんて考え始めると妄想が止まらない。
ただ、焦らなくても聞くと機会出てくると思うので、流れる作品を素直に楽しむ事にする。


店に入ると直ぐにモンクがかかり、インサンフランシスコとウィズコルトレーンの2連発。モンクの音ってこんなに太く強かったの?この時期のコルトレーンは、やっぱサナギだな、なんて。
このあとマッコイタイナーのサハラが流れる。押して押して押しまくるマッコイと暴力的なドラマーが気合いと体力でぶつかり合う、凄いけど、ちょっと疲れてきたなと思ったら、キースジャレットのスタンダーズが。この辺り、客の心理を読んださすがのアルバムセレクトである。


まだまだ音楽楽しんでいたいのだが、嫁さんから、いつ帰ってくるの?ってメールが入ってきたので、今日はこの辺で退散。


ダブルのメーカーズマークを転がしながら90分。家では絶対に味わえない大音量で、クッキリとした音のシャワー堪能して1500円。しかしながら、これから10年間毎日通っても、ここのスピーカーの値段には届かないのである。

ホレスシルバー

ソングフォーマイファザーのイントロ聴いて、スティーリーダンをパクってやがると思うセンスは正しいが、ホレスシルバーはスティールされた側の人間になります、当たり前ですが。


昨日、フレディレッドのミュージックフロムザコネクション聴いたら、ブルーノートの看板ピアニストが無性に恋しくなって、まずは、先のソングフォーマイファザー聴き、ついで、ホレススコープを。


ソングは何と言っても表題曲のイントロの格好よさ。もちろん、ロンリーウーマンも忘れてはいけないし、こういう作品を、隙のない名盤というのでしょか。


ホレススコープはジャケットが秀逸だけど、作品としては地味目かなと思っていたのだが、改めて聞くと、これも、実に良くバランスの取れた心地よい佳作だ。ブルーミッチェルの端整なトランペットが大好きだ。


しかし、僕にとって、ホレスシルバーといえば、ブローインブルースアウェイ。ブルーノートと言われても、このアルバム。棺桶に入れる1枚。


テーマが流れてきた瞬間に、僕は、それだけで幸せな気分になってしまう。ホレスの煽り立てるようなピアノに乗って、ブルーミッチェルが高らかに歌い、ジュニアクックが熱くコブシを震わせる。演奏が熱を帯びてくるのと一緒に、自然と身体が揺れ、ほおが緩んでしまうのだ。途中、ピースをじっくり聴かすところも憎いです。

いゃ、やっぱりジャズって、いいですね。でも、これはやはり、エベレストで聴いてみたいな。そうしたら、感動はもっと大きくなるのだろうな、なんて、まだリクエストする勇気も無いくせに、そんな妄想に浸っている。

とあるジャズ喫茶

稲毛駅前の住宅街にある、一見、それとは気づかないような建物の、二重になった扉を開けると、そこは音のワンダーランドだった。
垂涎の最高級機エベレスト66000が発する音が、信じられないようなリアルさを持って迫ってくる。一音一音の輪郭がくっきりと、ダンゴにならずに聴こえてくるのは、機器だけでなく、音響にも細心の注意を払っているからであろう。


そろそろ家のオーディオ買い換えようかとおもっていたのだが、僕が自由に使えるお金で購入し、小さなマンションで廻りを気にしながら聴く音楽など、ここの音に比べたらラジカセと変わりなく、いっぺんにオーディオ熱が冷めてしまった。


それくらい、異質の音世界がここにはあるのだな。


ジャズ喫茶ということで、若干構えて入店したのだが、店主とお客さんが普通に雑談している、割とフランクな雰囲気だったので、僕もリラックスして音楽を楽しむ。選曲も面白くて、ベイシーの後に、聴いたことがないフリージャズが流れたかと思ったら、エロルガーナーやクルセダースまで登場するという、こだわりのなさ。

このヌルい感じが、また、良いと思う。

ビール小瓶が1,400円というのは高いようでもあるが、絶対に手が届かない最高のシステムでアルバムを何枚もきけるのだから、決して高いものではない。

だつて、週に二回ずつ、10年間通い続けても、ここのスピーカー片方も買えないのだ!


いやはや、何でもっと早くこの店訪ねなかったんだろうなんて後悔しながらも、久々に胸がときめく素晴らしい出会いであった。

最近、ロック系音楽に食傷気味なので、気分転換にジャズでも聞こうと思い、棚の奥からCD引っ張り出してきた。



そんな時に、まず聴きたいと思うのがプレステッジ4部作か、黄金クインテットのマイルスなので、やっぱりこの人は別格だなとシミジミ思うのだが、彼はジャズをやりたいとか、ジャズを守りたいなんて事は、これっぽっちも考えていなかったのだろうな。


最後はヒップホップの世界に首突っ込んでるんだもんな。


僕はといえば、ヒップホップの世界には全く足を踏み入れず、ここまで生きてきたのだが、これって新しい楽しみを自ら放棄してるのかもしれないな、そう思うと居ても立っても居られなくて、Jay ZとLL Cool Jのベスト版を買ってしまった。


それと、ヒップホップが生まれた背景知りたくて、黒人居住区を舞台にしたボーイズンフッドと云う映画を借りて見た。


何か飛び抜けた才能がなかったら、アイスキューブ演じる兄貴みたいな生き方になるのが自然なんだろう。きっと僕なんかだったら、流れ弾に撃たれてのたれ死んでいるのだろうな。そんな世界で、楽器持たなくても=金が無くても出来るラップというのは、世界を変えうる玉手箱みたいなものかも知れない。


ラッパーは下劣だから嫌だなんて言ってたけど、品格求める方がおかしいのだ。


ただ、僕が好きなブラックロックより、はるかに逞しく、遥かに深く彼らの生活に根付いている事は間違いない。


しかし、、僕には歌詞聞き取れないので、ラップの面白さの1/100も分からないのである。


そこで、僕の音楽的嗜好と何とか上手く繋げないかなと、ない頭捻り、ジャズとの親和性を突破口にしたら良いかもしれないと思い、ブランフォードマルサリスのラップアルバムをポチンとしてみた。

何か新しい世界が開けるとよいのだが、それはこれからのお楽しみである。

観るゴルフと読むゴルフ

この連休は最終ホールの生み出すドラマに痺れてしまった。


ビッグ3の一角を占めるJデイはトラブルから貫禄の技術を見せつけての逃げ切り。
これにも早朝から興奮したが、やはり、日曜の大江選手の優勝は感動的だった。


チビと揶揄われる僕の長女と変わらない、153cmの小さな大江は、最終ホールで
左のクリークを嫌がって右に曲げ、
フェアウェイを大きく外し転がり落ちたボールはなんと木の根元に、
しかも、ボールには木の枝にくっついていたのだが、ボールが動いてしまうので取り除けない。
7番?でクリーンにヒットして低い球を打ち出すも、今度は怖がっていたクリークへ。
ワンペナ払ってドロップした地点からピンまでは80ヤード。
ちょっと厚く入りすぎたように見えたが、きっちりフィニッシュまで持って行き運んだボールは
ピン横1mほどのところに止まる。
先にパットを打つ大山がラインを見せてくれるが、最後で右に流れるのがイヤらしい。
見ているこちらが震えてしまうような、緊張感あふれるパットは、
最後にチョット流れ、やらかした!
そう思わせるも、カップに吸い込まれる。


宮里優作の腰抜けチップインと並ぶような、劇的な勝利だった。


やって楽しいゴルフだけど、観るゴルフも面白いなぁ。


いやいや、ゴルフの楽しさはそれだけにとどまらない。
ゴルフは読んでも楽しいのだ。


最近、通勤の車中で夏坂健の作品を読むのが密やかな喜びになっている。
彼曰く、ゴルフのルールは次の二つで十分だと。


あるがままにプレーすること
自分が有利になるようにふるまわないこと。


そして、スコアなどというものは個人の小さな問題に過ぎないのだと。


夏坂さんよ、そうは言うけど月イチプレーヤとしては、やっぱりスコアも、なんと思っていたのだが、


大江のプレーを見ていたら、


背が低くて全然飛ばない自分、
イップスになってしまった自分
というのを認め咀嚼し飲み込んで、真摯にトレーニングに打ち込んでいたから、


泣きたくなるよな、
放り出したくなるような、
怒りと悲しみと絶望とが入交じった、
思わず天を仰いでしまうような状況に陥っても、
冷静な判断を下し、ありうるベストな結果を勝ち得ることができたのだろう。


やっぱり、ゴルフというのは素晴らしいスポーツだ。


そんなことを、思ったりした。

10年

 放りっぱなしになっていたこのブログを、何となしに開けてみた。
 一時期はそれなりの愛着を持って接していたはずなのだが、一年以上ほったらかしていたのだな。
 ブログ更新しなくなった理由は明確で、
40歳になってトライアストンに挑戦始め、トレーニング(レース)と音楽と映画・・・。あまりに代わり映えのしない日常に飽きれてしまったのだ。

 50を超えて、週末の風景を変えようと思いゴルフをスタート。大衆コースではあるが会員権なども購入したのであるが、やはり、ゴルフは金がかかり、また家族とのバランスもあり、僕のようなサラリーマンではコースに出る回数には限界がある。ただ、週末はいくつかのゴルフ番組と、女子プロの放送をほぼ欠かさずみているので、ゴルフ色の濃い2年間を送っていたように思う。打ちっぱなしにも通い、我流ではあるが自分なりのフォームが固まってきたので、3年目の今年は躍進の年、一気に70台を狙いたいものだ、なんて気合を入れているのだが、自然相手のこのスポーツ、自分の思い通りに事が進むとは思えない。

 ゴルフこそ始めたが、音楽と映画から離れられないのは相変わらずで、酒の量はますます増えた。当たり前のことだが、みるみる太ってしまい、ついにはメタボになる始末。あわててランニングなど再開してみたが、そうすると自転車も恋しくなってくる。

 ブログ続けているうちに、自分の成長のなさ、生活の変化のなさがあからさまになって、それが情けなくなって、ブログやめてしまったのだが、結局、好きなものだからこそ続くんだし、結局好きなものに帰っていくのだろう。そう思えば日常も受け入れられるはず。

 50を超えて送る代わり映えのない毎日を、どのように感じるのか。10年前の自分と比べてみるのも悪くないかな、などと雑然と考えブログを再開することにした。