観るゴルフと読むゴルフ

この連休は最終ホールの生み出すドラマに痺れてしまった。


ビッグ3の一角を占めるJデイはトラブルから貫禄の技術を見せつけての逃げ切り。
これにも早朝から興奮したが、やはり、日曜の大江選手の優勝は感動的だった。


チビと揶揄われる僕の長女と変わらない、153cmの小さな大江は、最終ホールで
左のクリークを嫌がって右に曲げ、
フェアウェイを大きく外し転がり落ちたボールはなんと木の根元に、
しかも、ボールには木の枝にくっついていたのだが、ボールが動いてしまうので取り除けない。
7番?でクリーンにヒットして低い球を打ち出すも、今度は怖がっていたクリークへ。
ワンペナ払ってドロップした地点からピンまでは80ヤード。
ちょっと厚く入りすぎたように見えたが、きっちりフィニッシュまで持って行き運んだボールは
ピン横1mほどのところに止まる。
先にパットを打つ大山がラインを見せてくれるが、最後で右に流れるのがイヤらしい。
見ているこちらが震えてしまうような、緊張感あふれるパットは、
最後にチョット流れ、やらかした!
そう思わせるも、カップに吸い込まれる。


宮里優作の腰抜けチップインと並ぶような、劇的な勝利だった。


やって楽しいゴルフだけど、観るゴルフも面白いなぁ。


いやいや、ゴルフの楽しさはそれだけにとどまらない。
ゴルフは読んでも楽しいのだ。


最近、通勤の車中で夏坂健の作品を読むのが密やかな喜びになっている。
彼曰く、ゴルフのルールは次の二つで十分だと。


あるがままにプレーすること
自分が有利になるようにふるまわないこと。


そして、スコアなどというものは個人の小さな問題に過ぎないのだと。


夏坂さんよ、そうは言うけど月イチプレーヤとしては、やっぱりスコアも、なんと思っていたのだが、


大江のプレーを見ていたら、


背が低くて全然飛ばない自分、
イップスになってしまった自分
というのを認め咀嚼し飲み込んで、真摯にトレーニングに打ち込んでいたから、


泣きたくなるよな、
放り出したくなるような、
怒りと悲しみと絶望とが入交じった、
思わず天を仰いでしまうような状況に陥っても、
冷静な判断を下し、ありうるベストな結果を勝ち得ることができたのだろう。


やっぱり、ゴルフというのは素晴らしいスポーツだ。


そんなことを、思ったりした。