DIG OUT YOUR SOUL

 あいまいな空のせいでジロ錬が中止になってしまった。仕方がないので独り幕張界隈を徘徊する。90分80元のフルマッサージが効いたのか体が軽い。ただ、サイクルコンピュータの表示が電池切れのせいで?消えてしまい、どれくらいのスピードで走っているのか分からないので、実のところは、ただ楽をしているだけなのかもしれない。いつもならジロのメンバーを数人見かけるのだが、今日は誰ともすれ違わない。いつも、目標物を発見しないとエンジン点火しないので、今日はダレていたかもしれない。
 先月の貯金が効いてこの2年間の走行距離が5000kmを超えた。今年の距離は初の3000kmアップだ。もっともこの2ヶ月の突貫工事で1000km稼いだので、何だか手抜き工事のような感じがして気持ち悪いが、まぁそれはそれで仕方がない。
 沖縄まであと2週間。もうこれ以上の上乗せは期待できないので、レースでの走りが明快にイメージ出来る。海岸沿いを10km走ったあとに始まるダムの登りであっという間に置いて行かれ、完走狙いに切り替える自分の姿がクッキリと浮かんでくる。
 悔しいなぁ、本当に悔しいけど事実は事実として認識するしかない。あとは登りで徹底抗戦して玉砕するか穏やかにお客様として走るかなのだが、悩む必要性など何も無い。自転車で失うものなんてないのだから。

 オアシスの新譜”Dig Out Your soul"。
幻影的で妖しい雰囲気に包まれているが彼等の音は間違いなく深化していて密度が濃い。そしてリアムのヴォーカルは特別な領域に足を踏み入れているようで、彼の声の先には光が差しているようだ。
 とっつきにくさはあるが、冒頭を飾るBAG IT UP〜THE TURNING〜WAITING FOR THE RAPTUREの流れは最高。I'M OUTTA TIMEもリアム入魂のバラードだ。曲想の懐が深くなって刺激的だ。不満はやはりオアシス必殺の”合唱”ナンバーが一曲もないこと!。ノエルの狙いが違うところにあるとしても、どうしても欲しくなってしまうのだよね。そして、ストリングスを捨て堕ち砕けてしまったELOみたいなイントロで始まるTHE SHOCK OF LIGHTNINGの軽いこと。オアシスにこんな軽薄な曲など求めないし聴きたくない。これならKLAXONSやTHE MUSICの方が遥かに刺激的だ、なんて毒舌も交えてみるが、アルバムとしての完成度は高く=それがいいかどうかは別として=真剣勝負で楽しめる名盤だと僕は思う。