フォール・アウト・ボーイ

 エモバンドというのは有害図書のような扱いを受けているらしく、あいつのせいだとか他の連中と一緒にしないでくれなどといった痴話げんかも各地で行われているようだが、歌詞が分からない僕には何の関係もない。僕の嗜好は単純に曲の好き嫌いだけで決まるので、詩がどんな内容であっても基本的には知ったことではないのである。マイケミカルロマンスのブラックパレードは最も好きなアルバムの一つだし、フォールアウトボーイ(FOB)も好みのバンドだ。グリーンデイのアメリカンイディオットを越える名盤を作る可能性を持っているのは彼等しかないと密かに思っているくらいである。
 11月に発売が予定されていた彼らの新譜がようやく発売になったので速攻で購入。
 伸びやかで張りのあるボーカルが相変わらず素晴らしい、というより、ますます輝きを増している。もう一押し”の強さが魅力的だ。これまでは曲が一本調子で変化球が投げられないことがが不満だったが、新譜では音楽の幅が広がっている。お茶目な側面も見せていて、ユトリを持って楽しみながらアルバムを作っている様子が目に浮かぶようだ。おまけには、正にボーナストラックであのBEAT ITをカバーしている、しかもFEAT,ジョンメイヤーである。マイケルの原曲と聞き比べるなんて野暮なことをしないでFOBの曲として楽しめば最高だ。
 彼らの作品は今回も結構毒々しい詩が多いのかも知れないが、聴いていると楽しい気分になってくるし、こうして彼らのことを書いているだけでも気持ちがよい。My Favorite Album of The Year候補のノミネートすることも即決してしまう。
 ちなみにノミネートした5枚のアルバムは
1:KID ROCK "ROCK N ROLL JESUS
2:FALL OUT BOY "FOLIE A DEUX"
3:THE MUSIC "STRENGTH IN NUMBERS"
4:N*E*R*D "SEEING SOUND"
残りの一枚はオアシスにすべきかニッケルバックか、はたまたスノーパトロールウィーザーも悪くない・・・などと迷ったが、カリフォルニア3部作を見事に完結させたあの名盤に決めた。暇があれば週末にでも彼のことを熱く語ることにしよう。