スタンダーズ

 そそくさと仕事を終えてティップネス新小岩に。新しく清潔で好きなのだがその分混んでいて自由に泳げないので(レーンの幅も狭いような気がする)、船橋店が休みの月曜日に限ってここを利用しているのだ。まずアップとして50mゆったりと泳ぐ。あれっ、52秒!
もう1往復泳いでみる。あんまりタイムを気にしないようにゆったりと大きく伸びを取るつもりで泳ぐとやはり52秒。これってもしかしたら一皮むけた?確かめるように何度も何度も50m〜100mをゆったりと泳いでみる。これまで50mは56秒から1分で泳いでいたので明らかに突然の進歩を遂げている。この3年間ほとんどタイムが変わらなかったのに一体これはどうしたことだろう。少しだけ開眼したのかも知れない。
 おそらく、先日テーマとして掲げた水を掴む感覚と重心を前に前にと移動させていくイメージを持って泳いだのが幸いしているのだろう。が、気持ちの持ちようで泳ぎが変わってしまうというのは不思議なものである。
 もちろんこんなペースでは大会に出ても依然下位レベルにあることは疑いない。笑止千万といったレベルでの話しである。しかし、今冬のランで完全に伸び悩んだ僕にとっては06年もトライアスロンを続ける上での大きなモチベーションともなりうる変化なのである。やっぱり努力は報われるのだ!という気持ちを持ち続けることは僕にとってはとても重要なことなのである。
 気分よくキース・ジャレットのスタンダーズ・ライブを聴く。
 僕が最も好きなアルバムの一つだ。昨日聞いたソロ・コンサートは感情の赴くままあまりに甘美で耽美的な抒情詩に流れ離れてしまうので、感情移入しきれないところがあるが、このアルバムでは冒頭の星影のステラからどっぷりとキースの世界に浸ることができる。トリオ演奏であるという、僅かばかりの制約が僕のとの距離を守ってくれるのである。品があるとは言いがたい、あのうなり声がなければもっといいのにな、と思いながら、ちょっと甘口だけれど美しくきらめく彼の音色を楽しむ。明るい曲調の「恋に恋して」が僕のお気に入りの一曲だ。そして、Too Young To Go Steadyの輝かしさ。
 バド・パウエルの血が色濃く流れるハードバッパー達の演奏とは全く異質なので、こんなのは認められん!という人もいるかもしれない。でも、僕は彼の演奏を聴いていると自然と体が揺れてきて頬が緩んでくる。こんな幸せな気持ちにしてくれるのがJAZZなんだと僕は勝手に思っている。