River Runs

 ある時期、渓流に入ると一人でフライを興じる女性を良く見かけたものだ。パーマークの虜だった僕は、そんな女性達には何の関心も示さず、ひたすら竿を振り続けていたものだが、彼女達は彼女達で餌釣りでアマゴを狙う僕に軽蔑の視線を浴びせかけていたのかもしれない。今では信じられないくらい多くの女性を渓に導いたのが、言うまでもなくロバート・レッドフォードのリバーランズスルーイット。
 美しいモンタナの自然に包まれながら生きていく、牧師一家の物語である。
 生真面目な兄貴とやんちゃな弟がフライとともに育ちながら各々の人生を歩んでいくのだが、当時R・レッドフォードの再来といわれたブラピが弟役で、奴は男の僕が観てもやたら眩しく輝いている。何の抑揚もない退屈な話なのだが、暖色系の優しい陽光と煌く河の流れの組み合わせが作り出す映像の美しさだけで満ち足りた気分になってくる。
 この映画を観ていたらあの美しい朱点に会いたくなってきた。緑が濃くなって来たであろうこの時期の日本の渓流に入り、豊かな色彩と深い香りと心地よい流れに身を任せていたらそれだけで格別な気分に酔いしれることが出来るのである。
 
 肌寒くなってきた5時過ぎに外にでて、まずバイクを30km。1周焼く2kmの幕張交通公園周辺を回る通称セオ錬コースを11周。強度を上げてインターバル系練習をしたのだが最高速は45キロ代に留まり、東大グランドに戻ってからの消防署前の坂道ダッシュもダンシングで駆け上がろうとしたのだが後半一気の失速・・・ヨレた走りになってしまった。バイクの足作りにはまだまだ時間が掛かりそうだ。
 内容に不満が残ったのでバイクを終えるとすぐに走りに出た。自転車とランとでは使う筋肉が違うと思うのだが、しばらくは足が自由に動かない。それでも次第に調子が出てきて、ほぼトライアスロンのレースペースで約5km。最後にブルワーカーをチョロっとやって、〆てみたばマズマズの内容となったと思う。