タクシードライバー

 今日は渋谷でブラブラした後、西武の裏にあるティップネスで1200m。
 シブヤは僕のようなオヤジが歩くところではないのだが、やはり、カルチャーの発信地として魅力的な街だ。中々手に入れることが出来なかったCD=Urbon Cawboy!やマイルスのStar PeopleがTower Recordでみつかり、デクスターゴードン主演で僕の大学時代の思い出が詰まったラウンドミッドナイトも690円で入手。今年から挑戦しようとしているロングライン・テンカラ(渓流釣りの話です)のラインもヨサげで安いのを手に入れることが出来た。さて、家に帰ってからは昨日僅か20分で眠ってしまったタクシードライバーをもう一度。泣く子も黙るロバート”シリアス”デニーロの代表作だ。
 ベトナム戦争の傷跡・黒人や移民差別・ドラッグに売春・そしてマグナム44ですら簡単に手に入る銃社会、人を殺しても何とかしておくから、で済んでしまうような深く歪に病んだ大都会NY、命を掛けて戦った自国の現実。
 乾いた心を癒そうとしても、どうしても自分の居場所を見つけられずに深い孤独と焦燥感に囚われていく。ちょっと視線の定まらない斬新なカメラワーク、眩いのではない、品なく澱んだネオンがただ流れていくだけである。そして決して(僕には)正気とは思えない、虚無的でかつ短絡的な結論。そのピュアで繊細で屈折した精神に共感するには歳を取りすぎているが、デニーロの圧倒的な演技は凄いというよりない。