Stop The Clocks

 所詮ベスト盤に過ぎないのだから何も慌てて買う必要性はないってことは分かっているのだが、この週末にオアシスのFirst Decadeを振り返らずして何をするのだ、という心の声に後押しされて閉店間際のタワーレコードへ走る。
 いきなりTonight I'm Rock 'N' Rall Starと突っ張ってきたのを、この気負いと傲慢さが若さって奴さ、と肯定的に受け止めることができたのは 、やっぱりこいつ等が凄いエネルギーを放っていたからだ。We see things they'll never see. You and I are live foreverと歌う青春の勘違いも、彼らが紡ぎ出す美しい旋律でとてつもない名曲に仕上げている。吐き気がするほどストレートなのにキャッチーな魅力をもった不思議なバンドだと思う。
 僕が激しい衝撃を受けたのは4枚目のStanding On The Shoulder Of Giants。インスト曲のFuckin' In The BushesからGo Let It Outで感じた、あの混沌とした底知れぬパワーは今までに味わったことがない種類のものだった。EruptionからYou Really Got Meを引っ張り出してきたVan Halenデビューの衝撃とTalking HeadsのRemain In Lightの鮮烈さを同時に感じたといったら、ちょっと言い過ぎかもしれないけど、それ位、激しい衝撃を受けたのは事実。
 いま、彼らの10年を聴きなおしてみて思うのは、月並みだけど、こいつらの音楽的深さと広がりはハンパじゃないなってこと。誤解を恐れずに断言してしまうけど、ビートルズのONEなんかより遥かに躍動的でかつ刺激的なのだ。