Stop The Clocks

 気がついたら12月も半ばが近づき年賀状のプレッシャーを鬱陶しく感じるようになってきた。
 今年もCDを何十枚か購入したのだが、やはりオアシスのStop The Clocksがぶっちぎりのお気に入りだ。Definitely Maybeや(What's The Story)Morning Gloryから生み出された名曲達は、10年を超える時間の中で特に激しく、そしてゆっくりと擦りこまれ、ピストルズポールウェラーと同じようにちょっとセピアがかって僕の中にある。思わず口ずさんでしまう曲想のよさ。
 1枚のCDに9曲しか入っていないので、昔のLPの感覚で聞けるところが良い。1枚に20曲近く詰め込まれても緊張感が続かず聞き込めないのだ。このアルバムを聞いていてパっと頭に浮かんだのがビートルズの青だけど、僕はStop The Clocksのほうが遥かに好きだ。特にLive Foreverから始まる2枚目の陶酔っていったらない。ちょっとサイケでパワフルなGo Let It Outは何時聞いても新鮮な衝撃があるし、小品Songbirdも曲順がバッチリはまって輝いている。そしてなんといってもShampangne SupernovaからDon't Look Back In Angerへの流れは圧巻だ。何度も聞いているのに、あれイマジン?なんて思ったりしながら、口ずさむ。口ずさまずにはいられない。
 もうコンサートって歳じゃないけど、彼らのLIVEは見たいと思う。時間が許せば今すぐにマンチェスターに飛んで彼らの空気に触れてみたいと思う。
 もちろん、そんなことは出来ないので、00年のライブDVDを買ってきた。
 観客がタラコみたいにぎっしり詰まってるね・・・
 オアシスのことは何も知らない妻が呆然としていった。
 蟹股ぎみに足を開いて腰をかがめ、手はずっと後ろで組んだまま顎を上げて、ロックンローラーにこそ相応しい、ちょっと潰れた声を張り上げるリアム。
 僕は一緒になって叫ぶ。長女が何やら口ずさんでいる。抱っこされて眠そうな次女もナゼだか叫んでいるin a Champagne Supernova in the sky・・・。
 時間なんて止まっている。親子なんて問題じゃない。ただ、同じ時空間で共鳴している。