視力矯正レーザー手術

 体をオーヴァーホールしなきゃ・・・などと偉そうにいうほど真面目に練習をしていたわけではないが、一応オフシーズンを設けて気分をリフレッシュ。
 そして、そのオフの目玉として、なんと視力矯正レーザー手術を受けてきたのだ。
 まだ、手術を終えて3日目なので何が起きるか分からないのだが、今の気持ちは
月並みだけど”世界が変わった!”の一言。なんで今まで躊躇していたんだろう。
 目が覚めた瞬間から周囲がはっきりと見えってことだけで夢のようなのだが、視野の隅から隅までクリアに歪みなく見える風景や人の表情は煌いていて思いのほかカラフルだ。本当に違う世界にいるようなのだ。

 もちろん手術を受ける前にネガティブな思考を捨て切れなかったのも事実。もし失敗したら・・・下手したら人生を棒に振っていまうのだから。
 僕が手術を受けたのは22日なのだが、ちょっとこの想い出の一日を振り返ってみよう。

 連休前ということで今日一日で何と200人も手術を受けるのだという。僕の周りにも手術を待つ同士が10人近くいるのでそれだけで気が楽になる。
 麻酔用目薬を何度かさして、いざクリーンルームへ。
 まずはレーザーで角膜を切ってフリップという小さなフタを作るのだが、中々セッティングが決まらず、もっと上に、今後は右に・・・分かったこうすればいいんだ・・・などという医師と看護婦との会話が妙に気になる。途中で左目にかぶせてあったガーゼが落ちて不吉な感じ。設定が決まると今後は眼球を固定する器具をつけるのだが、はっきりいって痛い!
 おい本当に麻酔効いているのかよ・・・
 目をグっと圧迫されながら、目の前を点滅する緑の光を見ている、突然光が流れて何を見ているのか分からなくなる。目を動かさないで!と注意を受けるが、何を見ていればいいのか分からない。まずいなと思っていたらパリっと何かがはがされる虫唾が走るような違和感。角膜がはがされたのに違いない。
 左目でも同じような思いをして、次のレーザー設備に移動。目の前が真っ白でこの世とは思えない。
 直ぐに手術かと思いきや、”席について暫くお待ちください”だって。横には2人座って次の手術を待っている。相変わらず目の前はガーゼに覆われたように白くかすんでいる。
 早くしてくれよ、おじさんははっきり言って不安だぞ。このまま角膜のフリップがはがれたらどうしてくれるんだ!ちょっと暴れたくなるような気分。
 いらいらしてても仕方ないのでオアシスのDon't look back in angerを口づさんでいたら、看護婦さんに名前を呼ばれてレーザー台に移動。
 手術を担当するコンノです。と医師名を告げられ少し気が楽になる。
 もう直ぐに終わりますからって、待たせないで欲しかったよな。おじさんは心細かったんだなんと思いながら、なんだかガチャガチャしているうちに手術が始まり何かが焦げる匂いが・・・
 焦げてるのって僕の角膜・・・・大丈夫なのかな。
 なんて思った瞬間に、はい終りましたよという医者の声が。
 ???こんなにあっけなく終っていいの?

手術のあとは痛いというより目が滲みて、目を開けることすら辛かったのだが、翌朝の感動をどういえばいいのか。
 躊躇していた自分に、ざまぁみやがれ!ってところかな。