ボーン・アルティメイタム

 08年最後に観る映画は何にしようか悩んだ末に選んだのがボーン3部作。この映画には最新の映像技術を駆使した超人物では絶対に味わえない、感情の機微や息遣いで痺れさせる緊張感がある。作品を重ねるほどに密度を増していて完結編となるアルティメイタムの緊張感と疾走感は最高だ。ハンディカメラが追いかける不安定だがスピードと躍動感のある映像がストーリーと見事に一体化している。カメラマンの気迫と汗が全ての映像技術を凌ぐことを証明した映画でもあるのだ。それにしても、特にアルティメイタムで感じる息苦しさは何だ。プライバシーが剥ぎ取られ時間の経過だけが早くなった現代社会の閉塞感と恐ろしさを感じるからであろうか・・・。
 普段はお坊ちゃま俳優的印象が強いマット・デイモンだがこの映画だけは特別だ。彼だから作りだせる誠実で生真面目な空気が、この3部作を唯のアクション物ではない奥行きのある人間ドラマにしているのである。
 高揚し”特別な何者”かになったつもりで08年最後の自転車練習に出る。いつものジロ土曜日コースを流すつもりなのだが、どうしても今年中に達成しておきたいことがあるのだ。
 習志野倉庫街通りの最速チャレンジでの50km突破である。
 映画を観て空気が入った状態のまま、絶対にいけるはずだという裏付けのない確信に背中を押されてダンシングでスピードを上げる。45kmを超えたところでギアを上げるべきかケイデンスで勝負すべきか悩んだが、ギアを変えて思い切り踏み込み50kmを0.3kmだけ突破することに成功。風に助けられたような気もするが一応は目標達成、気持ちよく新年を迎えられそうだ。
 来年からは漠然としていたバイクの練習にテンポを加え内容を高めるつもり。トルクアップと体重ダウンのタイミングが上手く重なればレベルアップを体感できるのではないか。あまり根拠はないが楽天的希望に任せて来年もペダルを回す事にしよう。