LIVING COLOUR

 キース・ジャレットのスタンダーズを無性に聴きたくなる時がある。そのことは又別の機会に書くとして、スタンダーズでジャック・ディジョネトのドラムを聴いていたらナゼかLIVING COLOURが聴きたくなり(ディジョネット+ジョン・スコとLIVING COLOURが勝負した面白いアルバムがあるのだ)、07年のパリでのライブDVDを引っ張り出した。メンバーは皆オッサンになってしまったけど、僕がイってしまった鮮烈なサウンドはそのままの鋭い輝きを保っていて、恰好いい。
 思い起こしていると、1990年前後はこいつ等ばかり聞いていたような気がする。
 タフでヘヴィー、しかし、変幻自在にリズムを変え奔放自在に楽器を操ってダンサンブルで色彩豊かな世界をクリエイト。更にファンキーな臭気を強烈に放出しているので、ヘビメタなどという枠に括りこむことは出来ない。
 彼らの音楽は、やはり、ブラック・ロックと呼ぶべきものだ。白人ロックの象徴であるエルヴィスは死んだと宣告し、ロックは俺達のものだと言い放ったのだが、それら、ある種過激な宣言も彼らの鮮烈なサウンドの中で放たれる限りにおいては充分な説得力を持っているのである。