根津甚八・影武者

 この週末からレッドクリフ赤壁”part?が封切りになるので、DVDを見てお浚いしようかと思ったが、まだ幾つものシーンを鮮明に覚えているので、あえて黒澤明の影武者を見ることにした。この映画も封切りされてから25年以上経つのだな、懐かしい・・・。
 ジョンウーと黒澤明とでは映画に向かい合う想いが根底から違う。客を楽しませ歓喜させる画作りが身にしみているものと、自分の頭の中でイメージする世界を具現化するために突き進むもの。でも、どちらのアプローチが凄いのかなどという論議には僕は興味が無い。要は僕が見て面白いと思える映画を作ってくれれば、それでよいのである。
 仲代達也の素晴らしさは今更ここで言うまでもないが、根津甚八のピリリと効いた演技に痺れてしまう。ちょうど20歳の時にこの映画を観て、根津のようなキリリと芯の通ったオヤジになりたいって思ったものだが全然なってないね・・・。