高倉健についてのべる2、3の出来事

 鉄道屋を映画で見たら泣くに決まっているから映画館にも行かなかったしビデオも手に取らなかった。
 原作であれだけ泣いたのに健さんの映像で見れるわけないじゃないか!
 しかし、健さん祭りをやっている今この映画を避けるわけには行かないだろう、というわけで遂にターンテーブルに乗せてしまったのだが、やっぱり、当たり前だけど心に沁みて来る。健さんのための映画だから彼の間で時間が進んでいく。健さん身のこなしや立ち振る舞いの美しさは重ねて言うまでもないが、老いてますます美しい。
 僕も背筋をピシっと伸ばした、行動に筋を通す男になりたいものである。
 途中から嫁さんもソファに座りジっと映像をに見入っている。同じように、ところどころ泣いている。
 大竹しのぶの可愛らしさってなんと表現したら良いのだろう、それを言葉にする才能が欲しい

 野生の証明は健さん主演作品の中では最低級の駄作だと言い切ってしまうが、薬師丸ひろ子の”強い”目の輝きに触れずに流すことはできない。僕の時代はアイドル全盛で、生き方にまで影響を受けるような同世代のスターはほとんどいなかったが、薬師丸ひろ子の聡明な輝きは眩しかったなぁ。
 ブラックレインのテンポはマイケル・ダグラスのもので健さんのリズムではない。これが遺作となる松田優作は不気味な輝きを放っていて永遠に忘れることが出来ないが、これはまた別の機会に述べるべきであろう。