DIRE STRAITS

Dire Straitsの悲しきサルタンを初めて聞いたとき、流行を無視してわが道を行くような、こんなマニアックなバンドがなぜ売れるのか不思議でたまらなかった。それでも、マーク・コップラーのガサガサとと呟くようなボーカルと、一音一音がくっきりとしていて、こぶしの効いた独特のギターフレーズにジワジワと侵されていくのだが、僕はまだまだ幼くて、彼の世界にどっぷり浸ることはできなかった・・・。
 時は流れ、Brothers In Armsの”陽性”メロディーラインと心地よいリズム感にはビビっと反応、U2やスティングと並ぶ立つ存在感にぶっ飛んだ。棺桶に入れるロックアルバムを10枚選べと言われたときに、この歴史的名盤は外すわけにはいかないだろう。
 僕は本屋やレコード屋でぼんやり時間をつぶすのが大好きで、先日もタワレコでダラダラしていたら、たまたま目に入った彼らのライブDVDに引っ掛かってしまった。古いライブは画像が悪いにきまっているので、ちょっと悩んだのだが、衝動を抑えることが出来ずに92年のLIVE IN BASELをLADY GAGAや上原ひろみの新譜とともに購入してしまった。
 マーク・コップラーの不敵な面構えと余裕に満ちた笑いが格好いい。もちろんギターも最高だ。レコードで楽しむバンドだと思い込んでいたけど、それはとんでもない勘違いで、派手な仕掛けなんか全くなくてもクソでかい野外スタジアムを熱狂させてしまうだけのパワーとエネルギーが彼らの音楽にはあるのだな。この凄いライブで改めて彼らが好きになってしまった・・・。

 土曜は激しい雨が降っていたので早朝から映画を2本と音楽DVDを何本か・・・Rスコットのブレードランナーはやはり素晴らしい。消されたヘッドラインでのラッセルクロウはブタみたいに太っているけど、それでも、男の僕でさえ吸い寄せられてしまうような男の色香をプンプンと撒き散しているのには参った。イマを引っ張る名俳優だと思う。