弱さ再確認・ツールド北海道

 上級者の部8位と言うと大健闘したように聞こえますが、同時スタートしたJCF登録者と合わせた順位は30位台後半。出し切ったと思うのだが・・・・わかりきっていた勝負所で耐えることが出来ず惨敗。弱い、弱すぎます。


 スタート地点に向かうバスで偶然ズノウのメンバーさんの隣の席になったので、挨拶して少しおしゃべり。彼もコースの下見をしていて80キロ地点での激坂について「後に平坦区間が続くことを考えると、あそこでアタックかけても絶対に逃げは決まりませんよね」と強気のコメント。最後500m位で左折するから位置取りを間違えると危険ですよね、なんて無邪気にも傲慢な会話を続けていたのであった。しかし、バスから見るスタートから20kmほど続く登り区間の勾配が思ったよりきつく、今日のレースが簡単ではないことを覚悟する。


 昨日のTTを覗いてTT上位の連中はめちゃめちゃ早い!という当たり前の事実にも気が付いていて、参加選手の気合の入れようはみんなの使用機材からも感じられるのであった。どうも北海道選手権みたいな雰囲気がある。それに昨年優勝した山形大学生とTTで圧勝した信州大学生、そして噂の鹿児島軍団が混じることで、どんな化学反応が起きるのか、不安でもあり楽しみでもある。


 札幌市内は曇りだったがスタート地点は結構雨が強かったのでウォームアップは行わず。スタートしてからしばらく続くであろうパレード走行で体を温めようと思っていたのだが、これは誤算。登り基調序盤からかなり早いペースで進んでいく。チャンピオンジャージを着た信州大学性がペース変化にも慌てず鷹揚にペダルを漕いでいたので、彼を目印に30−40番手に位置取り、流れに身を任せる。なんていうと格好いいのだが、20km過ぎから勾配がきつくなるとズルズルと集団から離れてしまう。下りですぐに追いついて事なきを得たが精神的なダメージはでかい。出張疲れとアップ不足からレーススピードに体が順応していないだけだと自分に言い聞かせ気持ちを落ち着かせる。


 そのあともアップダウンが続くが激しいアタックに見舞われることなく60kmの部スタート地点に到達。ドクターの声に励まされる。この後しばらく下り基調になるので激坂地点まではペースが落ち着くとみていたのだが・・・。車での試走時には気づかなかった細かいアップダウンが続き、鹿児島対北海道連合のような構図で波のようにアタックが繰り返される。集団が棒状に伸び所々で中切れが発生し始めたので先頭の動きに反応出来る20位前後にまで位置を上げる。後ろを振り返る余裕がないが集団が割れた模様。アタックのたびに足が削られていくのがはっきりとわかる。


 こいつら凄え・・・思わず声がでてしまう。
 レースを作っている連中との実力差をまざまざと感じる。
 完全な棒状になって激坂に向かうのだが、右左折が続きそのたびにペースが上がる。少しでも集団を小さくして激坂下りでの落車リスクを減らそうということか。何とか集団に食らいついて状態で勝負処に差し掛かるがもう足が残っていない・・・。


 昨日このポイントを2回試走したときには、本当に激っているのは500mほどだから、この坂も多少の遅れでカワせるだろうと思っていたのだが、KOM1kmという標識でメイン集団から切れてしまいズルズルと後退。ズノウの選手にも先を越される。ギアは保険のためにつけていた25に張り付いたままで集団から切れた選手たちにもボロボロと抜かれてしまう。


 なんかとKOMにたどり着くと、ただでさえテクニカルなのに雨で一層危険度を増している下りへ。案の定何人か落車している。それにビビッて前を走る選手のスピードがガクッと落ちたため苛立つが、先頭を走るのは危険だと思い前に出るのは自重して平坦区間に出ると、まだ戦闘意欲を失っていない大柄な外人(後で調べたらグレッグさんというらしい)と共同戦線を組み、集団から落ちた選手たちを拾いながら前に進む。ズノウさんも吸収。知った顔が混じると精神的に落ち着く。
 沿道の方から前の集団との差1分だ!頑張れと応援してもらう。その声に勇気づけられローテに参加してくれる選手の数が増える。集団が見えたぞ!だれかが声を上げる。しかし、これで安心してしまったのか、それとも一気に疲れが出たのか集団のペースがこれを境に落ちはじめ、前の集団が再び視界から消えてしまう。

 一人で引きたい気持ちもあったが回した方が絶対早いので声を掛けながらローテーションを続ける。長いながい平坦約18km。
 大きな通りに出てあと5km。みんな無理だって分かっているのだけど、ほんの僅かな望みを胸にローテを続ける。グレッグさん、ズノウさんのほか鹿児島が2人?と何人かの選手たち。足の差はあれ皆で協調して走っていると連帯感が生じてくる。
 のこり300mでスパートをかけ、なんちゃってスプリントに持ち込むがグレッグさんに刺されてしまう。そのあとグレッグさんとは固い握手を交わす。

山形大学宮古島優勝者の対決は山形大学トライアスロン部の勝利で上級者の部の2−5位を鹿児島が占める。
僕自身はは出し切ったっと思っているので悔しいけど、後悔はない。激坂に向かうアップダウンで先頭集団との差を身を持って体験したことを今後の財産にしなければいけない。

しかし、である。
なんと、3位に入った選手は、なんと、去年の沖縄140kmでウエダさんとスプリントをした選手だということが判明!ということはウエダさんなら集団ゴールできるということだ。(この選手の1kmTT信じられないくらい早かったけど・・・)
やはり、身近に目標がいるというのは素晴らしいことだと思う。いつも練習の取りまとめをしてくれているキシさんには、いくら感謝してもしきれない。

レース終了後ドクターと銭湯に入って疲れを一日の癒す。やはり仲間がそばにいてくれると心強いです。
ノンアルコールビールで乾杯してレースの余韻に浸る。
悔しいから、どこまでも悔しいから、もっと強くならなくては!

でも、やっぱり公道レースの気持ち良さは格別だなぁ。