モネゲーム

コーエン兄弟の脚本に、英国王のスピーチでオスカー取ったコリンファースとキャメロンディアスが共演。さらにアランリックマンが脇を固めるとあれば、ある程度、内容は保証されたようなもの。古典的な味わいのドタバタ喜劇なのだが、バタ臭いだけのB級映画にならないのも、この面子なら当然だ。

何かが一本欠けた、屈折した英国紳士を演じるコリンファースの、堅苦しい表情と滑稽な行為とのギャップが面白い。パンツ姿でサボイのフロントを歩くシーンは秀悦。田舎っぺ丸出しのテキサスガール役のキャメロンディアスの天真爛漫な演技とのテンションのズレ方が絶妙で楽しめる。

日本人の扱いが不愉快だが、これもギャグだと我慢するとして、あのエンディングなら少しは許せるか。格好良く決めたところで終わらないのも、この映画の良いところ。最後までクスリと笑えてしまう。


古典といえば、当時、映画界に新しい感性が現れたと賞賛された家族ゲームを見直した。何とか最後まで我慢したが、嫁さんは耐えきれず部屋を出ていった。ただ時々の時流を捉えるだけでなく、もっと普遍的な何かを持たないと、作品は生き永らえる事が出来ないのだな。

暇になる(はずの)今度の週末は、学生時代に共鳴した、イージーライダー俺たちに明日はないといったアメリカンニューシネマの名作をみるつもり。それと、(大きな声じゃ言えないけど)まだみた事がない死刑台のエレベーターも。