アメリカン・ヒストリーX

 エドワート・ノートンといえばファイト・クラブでのブラビとの共演が強く印象に残っているけど、この映画での存在感も圧倒的。必見の名演技だ。
 そして、この映画はもう一つのアメリカ史をえぐり出した作品で、人種差別問題の根深さ、恐ろしさを考えさせられる。差別主義の過ちに気が付き、家族の絆を繫ぎ直すことを心に誓って主人公はムショを出るのだが、どうあがき、どう転んでも、悲劇的なエンディングに進むより他に道がない虚しさ、恐ろしさ。一度は改心したデレクだが、愛する弟を失ったあとに、憎悪や偏見を抑えることができるのか・・・。アメリカン・ヒストリーXは現在進行形で続いている。