テデスキ・トラックス・バンド

 恥ずかしながら、アンテナに引っかけられず、この素晴らしいバンドを聞き逃していた。


 「REVELATOR」が発売されたのは11年なので、知らずに失われた2年間を取り返すべく、これまでに発表された3枚のアルバムを聞きまくっている。


 パンチの効いた、ブルース心たっぷりで、時にボニーレイット姐御を彷彿とさせるスーザン・テデスキのボーカルが僕の琴線にビンビン響いてくる。1stの「ミッドナイト・イン・ハーレム」やライブでの「DARLIN・BE・HOME・SOON」での深くて広い表現力には、ただただ、参ってしまうのである。


 そして、サザン・テイスト溢れるデレク・トラックスのスライドギターが僕の背筋をゾクゾクさせる。彼の自在なソロが存分に楽しめるライブを聞きながらランニングしていると、あまりにカッコいいフレージングに興奮して足が止まってしまうことが多々あるくらい。さすが、当代最高のギタリストと噂されるだけのことはある。

 
 家族が外出している隙に、普段より少しボリュームを上げて、彼らの音楽にどっぷりと浸るのが、ささやかだけど、僕にとっては至福の楽しみになっている。


 残念ながら、ガガやFOBに夢中な僕の娘たちには、まだまだテデスキ・トラックス・バンドの魅力がわからないようだが、テデスキを聴き、その魅力を語らいながら、一緒にバーボン・ウィスキーをひっかけるような時は、いつの日か訪れるのだろうか。