世界にひとつのプレイブック

 裁判所から許可を取り精神病棟から家庭に戻ってきた主人公とか、地元のアメリカンフットボールチームに人生託してしまうような父親とか、やはり、メンタルダウンしたエキセントリックな女性と主人公との繋がりとか・・・日本人には分かりずらい設定で、愛とか家族愛を求めてウダウダした映画なんだけど、この手の作品はハッピーエンディングで幕を閉じるという安心感がある。いたたまれずにホテルから飛び出していった彼女を遅れ追いかけての告白シーンは、みえみえの展開なのに、泣けてしまった。


 感情移入しにくいストーリーなのに、序盤から妙に引き込まれてしまったのは、ジェニファー・ローレンスの魅力に負うところが大きい。シーンごとで違った女性に見えるくらい表情が豊かで、感情の起伏の激しく難しい役柄をナチュラルに演じている。彼女の演技にはアメリカンハッスルでも驚いたけど、僕のなかでは断トツで気になる存在、というより、オスカー貰っているのだから・・・。


 主人公演じるブラッドリー・クーパーは、アメリカンハッスルのほうが・・・なんて、この二つはデヴィッド・O・ラッセルの作品。その前の作品が、Cベイルの歴史的名演が光る、鮮烈な名画「ザ・ファイター」だから、この数年、この監督にはヤラれっぱなしだ。