パニック!アット・ザ・ディスコ

 木曜日は東大グランドを3周、6km。最後1kmだけ3分台にペースを上げ刺激を入れる。
 この競技だけは絶対に一夜漬けが効かないと分かっているのだが、それでもレースになると何かすがるものが欲しくて、チタンテープを張ったり、アミノ酸サプリメントを飲んだりしてしまうのである。おまじないみたいなものだね。
 僕もすっかり歳を取って、時々の体調や実力を素直に受け入れることが出来るようになってきたので、レース前に緊張するようなことがなくなった。いや、それは歳のせいではなく勝負をしていないからで、もし入賞や優勝を狙うレベルにいたら、ビリビリしているのかもしれない。
 さて、さっきからレース中に何を聴こうかと考えているのだが、こんな他愛無いことをアレコレ考えるのが僕は好きだ。
 年末からの激しい流れで言えば、久しぶりに火がついてしまったオアシスが最有力なのだが、マイケミも捨てがたい。
 そこに割り込んできたのが今も聞いているPanic! At The DiscoのA Fever You Can't Sweat Outだ。邦題にすると、パニック!アット・ザ・ディスコの”フィーバーは止まらない”で、帯にはパニック劇場、第一幕開幕!!とある・・・。
 しかし、そんなバカなプロモで腰を引いてはいけない。このアルバムを聴かないと絶対に損をする。ボーナストラックとしてラストに収められているI Write Sins Not Tragediesのライブバージョンなどは、それこそ、ため息が出てくるくらいに恰好いいのである。
 こいつらの音楽的瞬発力と反射神経はハンパじゃない。音楽に対する姿勢が柔軟で引き出しの数も多いので、アルバムを流していると何度をドキっとさせられる。彼等の仕掛けは知的でかつ刺激的だ。もちろんメロディーメーカーとしても一流なので、安心して彼等の世界に身を任すことができる。彼等の心地よい疾走感に乗っていけばどこまでも走っていけそうな気がするのだ。
 というわけで僕の悩みはつきないのである。