FTP値の測定方法

心肺系トレーニング記事を眺めていて“220−年齢”という数字が出てきた瞬間に、僕はその記事への興味をなくす。僕は47歳なのでこの公式に当てはめると僕の最大心拍数は220−47=173であり、その70%の121がAT値ということになる。しかし121で走ったら小学校3年の娘にも負ける!
 もう少しまともな数字が欲しいと思うのだが、乳酸値や二酸化炭素排出量はきちんとした計器がないと測定できないため、1時間持続可能な運動強度をパワーメーターで導き出すのがFTP値でありその心拍数がFTHR値である。


 FTP値の計測方法はたくさんあって、1時間TTやレースでのパワー推移から拾ってくる方法もあるが、これから示すテストで20分走を行いその値を1.05で割ることで近似値を得ることができる。


<FTP測定テスト>
時  間    内  容   FTP(FTHR)%
20分    ウォームアップ  65(<70)
1分x3回  ファストペダル  n/a(n/a)
5分     イージーライド  65(<70)
5分     オールアウト   max(>106)
10分    イージーライド  65(<70)
20分    タイムトライアル 100(99−105)
10-15分 クールダウン   65(<70)


テストは約1時間、辛いけど頑張って!また、自分の力を確認するためテストは継続的に行いましょう!!
ウォームアップを行ったあとで、まずは5分間のオールアウトを行う。ハイペースで突っ込んでいかなければならないが、最後まで漕ぎ続けるだけのパワーを残しておかなければならない。このオールアウトでメインの20分TTに備えるとともに、VO2maxパワーを測定することができる。
このあと10分間のイージーライドを挟んで、メインの20分TTを行うわけだが、フラット(緩い登り坂で、かつ軽い向風という条件がベスト)で途中信号がないコースを探すのは難しいので、ローラー台を利用しても構わない。(値は低めに出るみたいだが)
20分間持続できる最大のパワーで漕ぎ続けることが大切で、途中でペースがガクンと落ちてしまうと正しいFTP値を測定することはできない。最初の2分間はやや軽めに入り最後の3分間でマックスに持っていくような感覚で行うのがいいだろう。


こうして測定された20分TTの出力平均値から5%引いたものがFTP値(FTHR値)となる。例えば先日僕がフリートで20分TTを行った時の出力平均値は255ワットなので、この数字から5%を引いた242ワットというのが、僕の一時間継続可能なFTP値ということになる。また、このテストでの平均心拍数は185だったのでFTHRは176と考えてよいだろう(ただしFTHR値評価の記載は本編にはない)
このFTP値(FTHR値)をベースに自分のレベルを確認するとともに効率的な練習内容を考えていけばよい。また、雑誌に頻繁に出てくる心肺トレーニングも、弾き出されたFTHR値をLT値やAT値に置き換えれば、より現実的な内容として理解することができるだろう。